2021年度のゆりかご水田は、びわ湖に隣接しつながった5区画の水田(約5,400㎡)で実施させていただきました。
びわ湖に隣接している水田といっても、湖岸堤(さざなみ街道)の内側にある水田のため、一筆型魚道の設置は、湖岸堤の樋門付近に隣接した水路と、樋門から続く水路の2か所に設置し、つながった5区画の水田の水位を合わせる事で、約5,400㎡の水田を魚などの生物が行き来できるようにしています。
樋門部に接続する水路への魚道の設置作業
樋門部に接続する水路へ設置された一筆型魚道
樋門部から続き、ヨシや水草が生い茂った水路部への設置作業
水田への稲の植え付けが終わった5月中旬、例年よりも梅雨前線の北上が早まった影響のためか、びわ湖の水位が高かった(プラス30cm程度)こともあり、5月27日には遡上している魚の魚影が確認できました。
7月11日 生物確認調査を実施。 水田内の2か所に「モンドリ」を仕掛け、入っている生物を確認(2時間設置し中を確認を3回繰り返し)する方法で実施し、ドジョウ8匹、フナの稚魚15匹、スジエビ多数、ゴリ多数を確認することができました。
ドジョウやフナの稚魚
びわ湖のスジエビ
ゴリやドジョウ
これらの生物や稚魚は、水田の中干しに向けた溝切り作業により、この溝を利用し流下し、びわ湖にかえってゆきます。
水田の中干しがおこなわれた後、魚道の撤去や、魚道設置のため掘り起こされた畦畔、法面の修理回・復作業を実施し今年度のゆりかご水田の取り組みが終了しました。